一般的にインターナショナルなスタイルと呼ばれるスーツは、構築的で直線的な仕立てが特徴です。
肩にはしっかりと芯を据え、胸増芯によって胸のボリュームを作り、全体をシャープに整えていく。
いわば「形を構築する」ことで美しいシルエットを生み出す仕立てです。
それに対して、ナポリの仕立ては少し考え方が異なります。
ナポリのテーラリングは、構築するというよりも
“身体に纏わせる仕立て”。
過度に形を作り込むのではなく、着る人の身体に自然と寄り添う柔らかさを大切にします。
その軽やかな着心地と優雅な雰囲気こそが、ナポリスタイルの魅力です。
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ナポリ仕立ての背景
ナポリ仕立てのスタイルが確立されたのは、20世紀初頭と言われています。
当時のイギリス仕立ては重厚で構築的なスタイルが主流でしたが、温暖な気候のナポリでは、より軽く快適に着られる服が求められました。
その中で生まれたのが、肩パッドを排し、芯材を最小限に抑えた軽やかなジャケット。
身体の動きに自然と馴染む柔らかな仕立てです。
このスタイルはやがてナポリの名サルト(仕立て職人)たちによって洗練され、
現在では世界中のテーラーに影響を与える一つのスタイルとして確立されています。
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マニカ・カミーチャ ― ナポリ特有の肩
ナポリスタイルを象徴するディテールのひとつが
「マニカ・カミーチャ(シャツ袖)」です。
肩パッドを排し、袖山に多くのイセを入れながら袖を取り付けることで、シャツのように柔らかな肩周りを作り出します。
この仕様により、肩先には優雅な丸みと自然なドレープが生まれます。
肩が張ることなく身体に馴染み、軽く包み込まれるような着心地を感じていただけます。
ナポリ仕立ての軽やかさを最も象徴するディテールの一つです。
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アイロンワークによる立体構築
胸まわりの立体感も、ナポリ仕立てでは芯材だけに頼って作るものではありません。
重要になるのがアイロンワーク(クセ取り)です。
布地のクセを丁寧に整えながら、胸からラペルにかけて自然な膨らみを作り出していきます。
このアイロンワークによって生まれる柔らかな立体感が、着用した際の色気あるシルエットを生み出します。
強く作り込まれた胸ではなく、
自然に立ち上がる胸のライン。
それがナポリらしいエレガンスを感じさせる部分です。
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手仕事が生むラペルの表情
ラペルにはハンドステッチを施しています。
機械縫製の均一な縫い目とは異なり、手仕事によるステッチにはわずかな揺らぎがあります。
その微妙な違いが、ナポリ仕立て特有のクラフト感を生み出します。
一見するとさりげないディテールですが、近くで見ると
人の手によって仕立てられた服であることが伝わる部分でもあります。
また、通常は入れられることの少ないゴージラインのステッチも、ナポリらしい遊び心のひとつです。
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軽さ・柔らかさ・丸み
構築的なスーツが持つ端正な美しさとは対照的に、ナポリスタイルは
• 軽さ
• 柔らかさ
• 丸み
この三つの要素が重なり合うことで、独特の優雅さを生み出します。
堅さで着るスーツではなく、
余裕と色気で着るスーツ。
それがナポリスタイルの魅力です。
日本では、スーツ愛好家の方を除くとまだあまり馴染みのないスタイルかもしれません。
しかし、この柔らかな丸みと軽やかな着心地は、一度袖を通すと癖になる仕立てです。
優雅なナポリスタイルを、ぜひ一度体感してみてください。
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THE BESPOKEの仕立て
仕立ては、単に服を作ることではありません。
生地に触れ、形を整え、人の身体に合わせて服を立体へと変えていく仕事です。
ナポリの仕立てには、
その手仕事の温度と、着る人の魅力を引き出す柔らかな美意識が宿っています。
THE BESPOKEでは、
ただ形の整ったスーツではなく、
袖を通した瞬間に心地よさと品格を感じていただける一着を目指して仕立てています。
ぜひ店頭で、ナポリスタイルの軽やかな着心地をご体感ください。