英国の老舗服地メーカー
Smith Woollens が手掛ける春夏の定番服地 ABACUS(アバカス)。
ABACUSは、春夏のスーツ生地として定番の 平織り(トロピカルウィーブ) をベースにしながらも、英国生地らしい骨格のある風合いを持つ服地として知られています。
軽やかな通気性としっかりとしたハリを両立している点が特徴で、暑い季節でも快適に着用できる春夏服地として多くのテーラーに支持されています。
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ABACUSの特徴を生み出す「Sahara Finish」
ABACUSの最大の特徴は、独自の仕上げ加工である Sahara Finish(サハラフィニッシュ) にあります。
この仕上げでは、織り上げた生地に対してまず シンジング(焼き毛処理) を施し、生地表面の余分な毛羽を焼き取ることでクリアな表情に整えます。
これにより生地表面の摩擦が抑えられ、さらりとしたドライタッチが生まれます。
その後、高温スチームを用いたプレス工程によって生地を強く圧縮し、繊維構造を安定させながら生地全体を引き締めていきます。
この工程によって適度なハリとコシが生まれ、仕立てた際に美しい立体感を保つ骨格が形成されます。
さらに湿式仕上げを抑えたドライなフィニッシングを行うことで、通気性を保ちながらシャリ感のあるタッチに仕上げられています。
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なぜABACUSはシワに強いのか
ABACUSが春夏服地として評価されている理由のひとつが、優れたシワ回復性です。
その理由は主に二つあります。
一つは、平織りによる安定した組織構造。
平織りは経糸と緯糸が均等に交差するため、生地全体のテンションバランスが安定しやすく、シワが定着しにくい特徴があります。
もう一つは、Sahara Finishによる 繊維配列の安定化。
強いプレス仕上げによって繊維が整列し、生地の復元力が高められることで、着用によって生じたシワが比較的戻りやすくなります。
これは、強撚糸によってハリを生む フレスコ系の服地とは異なるアプローチです。
ABACUSは強撚糸の硬さではなく、仕上げ工程によって生地の骨格を整えることで、軽さと復元力のバランスを取っています。
そのため、
・通気性
・軽さ
・シワ回復性
をバランスよく備えた、英国らしい春夏服地に仕上がっています。
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日本の気候にも適した英国服地
湿度の高い日本の夏では、スーツの着心地は生地の構造によって大きく左右されます。
ABACUSは通気性の高い平織り構造とドライな仕上げによって、肌離れがよく、蒸し暑い季節でも比較的快適に着用できる服地です。
また、適度なハリがあるため仕立て映えも良く、ラペルの返りや胸まわりの立体感が綺麗に出るのも魅力のひとつです。
軽快な着心地とクラシックな表情を併せ持つ、英国らしい春夏服地と言えるでしょう。
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テーラーとしておすすめしたい仕立て
ABACUSは軽快な平織りの服地でありながら、Sahara Finishによって適度なハリと骨格が与えられているため、仕立て映えの良い生地でもあります。
特にラペルの返りが綺麗に出やすく、胸まわりの立体感をしっかり構築するクラシックな仕立てとの相性は非常に良好です。
THE BESPOKEでは、この生地の軽さを活かしながらも立体感を損なわないよう、柔らかさと構築性のバランスを意識した仕立てをご提案しています。
例えばジャケットであれば、
・ナチュラルショルダーを基調とした軽やかな肩まわり
・立体的な胸のボリュームを作るバストライン
・美しく返るラペルロール
といったクラシックなディテールが、この生地の魅力をより引き立てます。
またABACUSは通気性とシワ回復性に優れているため、ビジネススーツとしてはもちろん、ジャケット単品としても取り入れやすい服地です。
春夏のスーツとして軽快に仕立てるのも良し、ブレザーのような感覚でジャケットを仕立てるのもおすすめです。
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最後に
服地にはそれぞれ個性があり、その個性をどのように仕立てに落とし込むかがテーラーの仕事です。
同じ生地であっても、仕立て方や設計によってスーツの表情は大きく変わります。
THE BESPOKEでは、生地の特性を見極めながら、その魅力を最大限に引き出す仕立てを大切にしています。
春夏のスーツをご検討の方は、ぜひ店頭にてご相談ください。